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『銀河英雄伝説 9 回天篇』

懸賞 2008年 11月 07日 懸賞

『銀河英雄伝説 9 回天篇』_f0179663_10104896.jpgヤン・ウェンリーの死に伴い、共和主義者と帝国側との戦闘は一旦停止し、平和な時代が来るかと思ったのもつかの間、旧同盟領を支配する新領土総督のロイエンタールの謀反が発生。実際はその裏で糸を引いていた地球教の陰謀に嵌められた形のロイエンタールだったが、好敵手にして無二の親友のミッターマイヤーと戦うことになってしまう。

ロイエンタール自身は、地球教の陰謀に嵌められたことに気づきながらも、皇帝に自分の無実を訴えることなく、結局自ら「叛徒」となる道を選ぶ。
原作を読むまでは、このあたりの心の動きがどうもよくわからなかったのだけど、忠実な廷臣でありながらも、内面に持つ野心を隠すことができず、しかも、自分が卑劣な陰謀者に嵌められたと認めることは、誇り高い彼の矜持が許さなかったということらしい、と納得。
でも逆に、賢帝の誉れ高きラインハルトが、ラングごとき小人の権利をあくまでも守ろうとして、大事な元帥が謀反人になっていく流れを止めようとしなかったというのは、ちょっと納得いかない。

この間、イゼルローンを拠点にしていたユリアンたち共和主義者は、帝国の内乱に乗じることなく静観する態度を取り、帝国に一掃される機会を与えなかったのは賢い選択だったと思うけど。

とにかく、銀河の歴史は同盟対帝国、共和主義対専制主義だけでなく、最終局面には宗教の影響力がさらに大きくなって、予想もつかない展開へ。
この後、誰が戦死するか、最終的な結末はどうなるかわかっているから、読むのがつらいし、何より長大な小説が終わっちゃうのが残念だけど、外伝の1巻も出版されたようなので、このまま正伝最終巻になだれ込みます。

by ciao_firenze | 2008-11-07 10:22 |

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