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『トロイメライ・唄う都は雨のち晴れ』

懸賞 2011年 07月 24日 懸賞

『トロイメライ・唄う都は雨のち晴れ』_f0179663_2343718.jpg池上永一『トロイメライ・唄う都は雨のち晴れ』を読了。
前作『トロイメライ』の2巻で、『テンペスト』のスピンオフ作品。
前作同様、琉球王国の新米岡っ引きの武太、那覇の十貫瀬のをなり宿の三姉妹を中心に、間切倒(財政破綻)になった村人のために雨乞いをするノロ(国家公認祈祷師)の話、新しい菓子と菓子器のコンテストを目指す若い漆職人と三姉妹の末の妹の奮闘の話、里子に出された息子を幽霊になって守る母親の話、三線の銅に張る蛇皮を巡る密貿易の話、凶作にあえぐ村を救う風水士の話、王に献上する芭蕉布の織り子と役人の悲恋話、の6話の構成。

今回は、『テンペスト』の悪役中の悪役、聞得大君が出てきますが、村人のために雨乞いをするノロを悪徳役人から守る、という王国の宗教の大本締めとして、部下からも村人からもあがめられる姿が新鮮でした。
また、『トロイメライ』で売られていった子供たちが、それぞれ糸満の海人や王宮の女官見習いとしてがんばっている様子も伝わってきます。
そしてナゾの義賊黒マンサージが再び登場しますが、またちらっと出てきた孫寧温はその正体をつかんでいる様子。ひょっとして・・・?

前作同様、トンデモ話だった本編の『テンペスト』よりも、庶民の悲喜こもごもを含め、人物たちが生き生きと描かた人情話として面白く読めました。

ところで、NHKのBS時代劇『テンペスト』も始まりましたね。
真鶴が寧温として生きていくことを決めてから、科試を受験するまでのいきさつが飛ばされただけで、原作にはかなり忠実でした。また、沖縄現地ロケのおかげで、物語の鮮やかな原色の世界がダイレクトに伝わってきます。
ただ、仲間由紀恵はどう見ても女の子にしか見えない(^^;)あれでみんながみんな、元男性の宦官だと騙されてしまうものでしょうか?
聞得大君の高岡早紀、女官大勢戸部のかたせ利乃は、さすがの貫禄。でも国母役の八千草薫はかわいすぎて、嫁の王妃をいびる御内原の一大勢力の長にはちょっと見えないかなぁ。
第1話にして4巻中2巻の頭まで進んじゃったけど、あと9話、どうなるんだろう?ということも心配です(笑)。

by ciao_firenze | 2011-07-24 00:01 |

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