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『英雄三国志・1・義軍立つ』

懸賞 2010年 06月 24日 懸賞

『英雄三国志・1・義軍立つ』_f0179663_22431727.jpg柴田錬三郎の『英雄三国志』(集英社文庫)を読み始めています。第1巻「義軍立つ」を読了。

いわずとしれた後漢末の戦国乱世を舞台にした、魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権の三傑の攻防の物語。第1巻では、宦官たちの横暴により腐敗する後漢と黄巾の乱、そこへ台頭してきた董卓の恐怖政治、反董卓連合軍の形成と董卓の死、勢力を拡大する袁紹などの話を軸に、関羽と張飛という豪傑を得ながら何度も挫折を味わう劉備、着々と力をつける曹操、と、壮大な物語は始まったばかり。


漢王朝の権威は失墜し、誰もがあわよくば、と大権を虎視眈々と狙うこの時代は、まさに昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵、の乱世。さまざまなタイプの英雄や豪傑が次々に登場し、それぞれの利害関係によって複雑に絡み合う人間関係を、テンポ良く描いているのはさすが柴錬。
実のところ、ここ数ヶ月遊んでいる某ブラウザゲームでおなじみの武将たちが出てくるのも楽しかったりするおばかな私^^;でも内政担当の軍師だと思っていた人物が、本来はちゃんとした武将だったりするのはちょっと意外。

それにしても、皇帝権の失墜、宦官の横暴、官僚の堕落、そして人々を律するのは孔孟の教え。2000年近く前から『蒼穹の昴』で描かれた清朝末期とほとんど同じ状態。中国の「伝統」のあまりの悠久さ加減は想像を絶するものがあります。

そして劉備がこんなに長い間不遇をかこっているとは知りませんでした。人品高潔でありながらも、結局無位無官で常に在野の義軍状態。しかし、1巻の最後の方で若き諸葛孔明も登場し、2巻への展開が楽しみになってきました。

ちなみに、当時の中国の地名や位置関係がさっぱりわからないので、書店で見つけた『三国志-軍師と武将列伝』(主婦の友ベストBOOKS)という図説本を購入し、人物早見表や地図を参考にしながら読んでいます。(しかし何故に主婦の友社^^;)

by ciao_firenze | 2010-06-24 23:21 |

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