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ランビエールインタビュー・その2

懸賞 2009年 10月 07日 懸賞

Absolute Skatingのインタビューの続きです。

タンゴも新しい衣装でしたね。
はい、この前に着ていた衣装よりももっとシンプルなものにしたかったんです。プログラムそのものは、振り付けの細部すべてにおいてとても複雑なものなので、理解しにくい衣装は必要ないんです。スケートが続けられればそれで十分なのです。新しい衣装は、ちょっとダンディな感じのシンプルな襟がついたもの、というアイディアでした。

明らかに、タンゴは昨シーズのあなたのフリー・スケートになるはずでしたね。ポエタを2年続けましたが、もともとはタンゴも2シーズン続けるつもりだったのでしょうか?
いいえ、昨シーズンは試合ではこのプログラムを滑っていなかったというだけのことです。だから今シーズンもう一度使うというわけです。もし昨シーズン使っていたら、今シーズンは新しいプログラムにしたでしょうね。

昨シーズン、あなたは多くのショーでこのプログラムを披露してきて、その時点で高いレベルに達していると感じていたのですが、金曜日のあなたの演技はさらにもっと表現力豊かで濃厚なものでした。
僕は本当に体調が良くて、気分も良く、ここでは自分がとってもパワフルに感じられました。
それに、オリンピック・シーズンの練習はもっと濃密なものです。すべてのことに対してベストでなければまりません。最高のプログラム、最高の振り付け、そして最高の衣装が必要なんです。


Ne me quitte pasについても少し話したいのですけど。
まず最初に、私がこれまでにフィギュア・スケートで見た中で最も印象的なプログラムの一つを作り出してくれたことについて、おめでとうと言いたいですね。
もちろん、すべてのプログラムにおいて、あなたは何か新しく独創的なことをやりたいと思っていることでしょうけど、実際のところ、「よし、それじゃあ完璧に他とは違うことを何かやってみよう」と思ったりするんですか?それとも、一旦選曲してプログラムを作り始めると、自然に起こることなんでしょうか?

実際のところ、僕が選んだものを最初にサロメに見せた時、うまく出来るかどうか彼女はそれほど自信がなかったんです。あまり確信がなかったんです。僕はこれまでフランス語の歌詞の曲を使ったことはなかったし、振り付けしている時には、全体がどのようになるかイメージするのは、いくつかの理由があって難しかったです。全体を見なくてはいけないんですけどね。
最初にこのプログラムを日本で滑った時、僕はどういう反応があるか確信がなかったのだけど、何か不思議なことが起こりました。演技が終わった時、観客はすぐには拍手せず、ただ静寂がありました。そして僕も全く動けず、僕たちは皆、そこで起こったばかりのことに衝撃を受けて、ひたすらその場にたたずむしかありませんでした。あれは本当に濃密な瞬間でした。


このプログラムは、特にあなたがショーで演じた時には、観客の何かを変えるものなのだと思います。演技においては、スケーターは俳優になる、つまり、その人物になりきり、ショーに没入する。あるいは、自分自身を表に出す。プログラムによって、演技することと自身を表現する割合が違うのではないでしょうか?でもNe me quitte pasは、自分自身を表現するという点では、もっとも純粋なまじり気のないプログラムだと思います。演技は全くありませんよね。
ええ、その通りです。僕たちはすべてをかなぐり捨てました。僕はそのことを衣装でも表現したいと思いました。何かとてもシンプルで黒いものが良かったので、滑ることから気を散らしたくなかったんです。ひたすら滑ることに没入できるもの。ロー・ネックとルーズ・フィットの衣装を選んだのはそのためです。まるでほとんどパジャマで出てきたかのように、まぁ、パジャマじゃないんだけど、でもショーの衣装ではなく、僕そのものなんです。

観客の目から言うと、プログラムがそれほどまでに印象的なのは、おそらくそのせいだと思います。あまりに内向的で、あなたが自分自身の演技を鍵穴から覗いているかのようで、あなた自身が見られているのではないような感じです。
本当に?それは良かった。

私は振り付けのある部分に興味を持ちました。それと言うのも、知っている限りでは今まで誰もそのようなことをやっていないと思うので。あなたは歌詞の一部と動作を呼応させていますね。Father and Sonでもあなたは同じようなことをやっています。このアイディアはどこから生まれたのでしょうか?
サロメと一緒に僕はいつも何か新しいことに挑戦しているし、僕はいつもあるテーマをスケートによって伝えたいと思っています。音楽性は僕にとってはとても大事なことで、ジャッジ・システムよりもずっと高く評価されるべきだと思います。音楽表現については、アイス・ダンスの方がより進んでいますね。

できるなら、もっと他にも歌詞付きの楽曲を使ってみたいですか?
ええ、もちろん。歌詞付きの音楽を使えるのならとても良いことだと思いますよ。

そろそろ終わりにしなければいけなかったので、最後の質問の時間だ。

最近何からインスピレーションを受けましたか?最近何か興味深い本を読んだり、映画を見たり、あるいは最近凝っている音楽は何かありますか?
(しばらく考えて)スコットランド人のPaulo Nutiniが大好きです。とってもいいですね。
それに、ウッディ・アレンの最新の映画(Whatever Works)を見ました。とっても気に入りました。人生そのものについての映画です。


私たちは急いで写真を撮る時間があったので、ロッカー・ルームの中でふさわしい背景を探した。その時、私は気づいた。こんな魅力のない場所でも、ステファン自身はとても輝いているということに!
ステファン、インタビューをありがとう。そして来たるシーズンが最高のものとなりますように。マークの素晴らしい協力と、シルビアの素敵な写真にもありがとう。

by ciao_firenze | 2009-10-07 14:13 | フィギュアスケート

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