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『銀河英雄伝説外伝 4 螺旋迷宮』

懸賞 2009年 07月 09日 懸賞

『銀河英雄伝説外伝 4 螺旋迷宮』_f0179663_16493071.jpg外伝4巻読了。
宇宙暦788年、惑星エル・ファシルから300万人の民間人を救出してハイネセンに帰還した21歳のヤン・ウェンリーは少佐に昇進する。「エル・ファシルの英雄」として、マスコミ、政界、そして軍部の思惑もあって一夜にして祭り上げられたヤンは、騒がれることに疲れ果てる。
そんなヤンに先輩の軍官僚キャゼルヌ中佐が命じた新たな職務は、43年前に戦死した同盟軍史上最高の英雄ブルース・アッシュビー元帥の謀殺説の真相を探ることだった。

アッシュビーの司令部は、士官学校の同期生"730年マフィア"たちによる参謀に固められ、数々の神業のような戦績を上げていた。が、参謀たちとの複雑な葛藤があったことも、ヤンが調べていくうちにわかってくる。
そうこうしているうちに、ヤンは惑星エコニアの捕虜収容所に赴任する。そこで出会ったパトリチェフ大尉、そして43年間も虜囚生活を送っている帝国軍の老大佐ケーフェンヒラー。
赴任のその夜、捕虜たちによる暴動が発生。思いがけずケーフェンヒラーと行動を共にすることになったヤンとパトリチェフは、アッシュビー元帥謀殺説の手がかりを知る。

この『外伝』シリーズは、本編が始まる前の時期のラインハルトやヤン周辺にスポットを当てたサイドストーリーですが、そこでは両者が後の腹心の部下や大事な関係者たちとの出会いも描かれています。今回は士官学校を出てまだ1年半のヤンを中心に、先輩のキャゼルヌ、後輩のアッテンボローの他、心強いパトリチェフ、緻密な事務処理能力を持つムライと出会います。
また、本編中では断片的に短く語られているだけの「伝説の英雄」ブルース・アッシュビーや、過去の有名な対戦である第二次ティアマト会戦などについても詳細に述べられています。
何より、近い将来に「不敗の名将」として元帥にまで昇進するヤンが、頼りないかけだしの青二才として描かれているのが特徴です。
しかし、ケーフェンヒラーという海千山千の老帝国貴族軍人にとっては、ヤンのことを単なる「運のいい若造」とは見ていなかったようなところなど、外伝3巻のグリンメルスハウゼン老人の人物見識眼彷彿させるところもありました。

外伝も残り1巻。テレビの正伝放送もあと2週間で終わっちゃいます。でも外伝を動画サイトで発見したので、ゆっくり堪能しようと思います。

by ciao_firenze | 2009-07-09 17:17 |

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