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『銀河英雄伝説 8 乱離篇』

懸賞 2008年 10月 29日 懸賞

『銀河英雄伝説 8 乱離篇』_f0179663_1752514.jpg不正規兵を率いたイゼルローンのヤンと、全宇宙の完全統一を目指すラインハルトがついに最後の戦いへ。
圧倒的な優勢を誇るはずの帝国軍は、またしてもヤンの戦術に翻弄され、激戦に次ぐ激戦が続く。帝国側、ヤン側、双方とも幹部将官たちまで戦死する激しい戦闘の中、ついに和平の機会が訪れたかと思った矢先、ヤンが地球教徒のテロに斃れる。
ヤンの死は、共和制側、帝国側に大きな衝撃を与えつつも、イゼルローンでは新体制での新政府が成立する。

不敗のヤンは、常勝のラインハルトの手によってではなく、偏狭な狂信者のテロの凶弾によって命を落とした、という意外なストーリー展開は、アニメを見ていた時も、よくできていると感嘆したものでした。
一般のSFモノでは、専制主義と共和主義の戦いは、そのまま「悪vs正義」の戦いと単純化されてしまうものだし、「悪の専制政治・独裁政治を倒し、不当に虐げられている民衆を解放し、自由と平和を与えること」こそが「正義」である、と、現実の世界の政治的なキャンペーンでもよく見かけるものです。
しかし、そこに「宗教」という人の心の問題とテロリズムを絡めてきたところが、25年前の作品とは思えず、混迷の21世紀を予見していたかのようで、この作品の深さを感じるのでした。

by ciao_firenze | 2008-10-29 18:08 |

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