ウルビーノ

懸賞 2011年 11月 22日 懸賞

月曜日のイタリアは、全国的に国立、公立の美術館、博物館がお休みなので、長距離移動以外に有効に使うのが非常に難しい日です。
今回訪問予定の都市も、軒並み休館日は月曜日に集中。調べに調べた結果、マルケ州のウルビーノのパラッツォー・ドゥカーレ(国立マルケ絵画館)とラファエッロの生家は、13時までなら開いていることが判明しました。
ボローニャから鈍行列車で2時間、そこから直通バスで45分、片道正味3時間の移動ですが、フィレンツェからもローマからもヴェネツィアからも非常に行きにくい場所にあるため、今まで行きたくても行けませんでしたが、これはチャンスです。

7時半過ぎの鈍行列車に乗ると、長距離の通勤が当たり前の日本では考えられないくらい、ビジネスマンはいませんが、高校生や大学生とおぼしき若者で意外な混雑。フォルリで高校生が、チェゼーナでは大学生が大勢降りました。普通の通学らしき子もいましたが、大荷物の学生が多いのは、週末には実家に帰り、マンマに洗濯をしてもらったりお料理を持たせてもらったりして、また一人暮らしに戻る子が多いからでしょう。
そして、ペーザロからウルビーノ行きのプルマンにも大学生がいっぱい。ウルビーノは学生の街でもあるのです。

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丘の上にある町は、急な坂が何本も通っています。頂上にウルビーノ大学があるため、お昼時にはこの小さな町中が大学生で大混雑するのが不思議な感じです。

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小路は中世そのものの雰囲気。でもこれらの建物にはいまだに人が住んでいます。本来なら、町外れから周辺の絶景が見られるはずなのですが、今日はあいにくの濃霧で、何も見えませんでした。

しかし、ウルビーノはなんといっても人文主義者フェデリコ・ダ・モンテフェルトロが治めたルネサンス文化の薫り高い町です。
フェデリコの宮殿、パラッツォ・ドゥカーレが国立マルケ絵画館となっていて、この町の最大の観光ポイントです。

ところが、地図をもらいに入った市の観光インフォメーションのオフィスでは、お姉さんに「今日は月曜日だからパラッツォ・ドゥカーレはお休みです」と断言されてしまいました。昨日も間違いのないことを確認した市の観光課の開館時刻表を見せても、「やっていない」との一点張り。
ここを見るためにわざわざ3時間もかけてやってきたのに、と、がっかりしてその場にしゃがみ込みそうになるくらい落ち込みましたが、それでも諦めきれずにパラッツォの前まで行ってみると、門が開いていてチケット売り場もやっているではありませんか。
お兄さんに「入れますか?」とおそるおそる聞いてみたところ、「月曜日は13時までやってますよ」とのこと。「インフォメのお姉さんが今日は休みだ、と言い張ったんですよ」と告げ口したら、あきれかえっていました。
そういえばここはイタリア。道を聞いても1人は右、次の人は左、と言うことも珍しくありません。「そんなはずはないのでは?」とちょっとでも疑問に思ったら、自分の目で確かめてから結論を出すことが重要なのだ、という過去の経験を思い出して良かったです(笑)。

予定通りに入れたパラッツォ・ドゥカーレは、フェデリコの居室や大広間などに、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ラファエッロ、パオロ・ウッチェッロを初めとした14世紀からルネサンス、バロック、ロココまでの絵画がたくさん展示してありますが、内部は撮影禁止です。

中でも美術史家の石鍋先生の一押しは、フェデリコの書斎。ごく小さな書斎ですが、装飾としてだまし絵風に描かれた楽器や動植物、武器の絵、風景画には遠近法が使われており、寄せ木細工でできているとは思えないほど精巧な作品です。

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宮殿の地下には井戸が3つあり、洗濯場や馬の洗い場、お風呂などの生活に必要な水場がまとまっていました。きらびやかな公爵の生活の中でも、日常の暮らしを垣間見ることができ、興味深いです。

ウルビーノのもう1つの大事な見所は、ラファエッロの生家。予定では13時には閉まってしまうとなっていましたが、時刻はもはや13時数分前。こちらはほとんど諦め気味で、おそるおそる入り口を入り、チケット売り場のお兄さんに「まだ見られますか?」と聞くと「もちろん!」とのこと。「13時までじゃないんですか?」と言うと「僕は14時に閉めるつもりだったんだ」という返事が。う~ん、市の予定表では13時だよ?でもこちらにとっては都合の良い「相違」だったので、こういう時には素直に従いましょう(笑)。

ラファエッロの生家は、中庭があったり、井戸があったり、部屋数も多くて、想像していたよりも大きな家でした。

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内部に展示してあるのはラファエッロの名作のコピーがほとんどですが、これはラファエッロがまだ10代前半で描いたという「授乳の聖母」。その天才ぶりが伝わるごく初期の作品です。

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霧にかすむパラッツォ・ドゥカーレ。その丘の頂上に位置し、2本の塔を備えた姿は、フェデリコの偉容も今に伝えています。

ボローニャとその近郊を巡る今回の旅では一番の遠出で、しかも電車とバスを乗り継ぐ、という高度な日帰り旅行でした。電車かバスのどちらかが遅れたら、接続の関係で時間的なロスがさらに増す可能性があったし、なにしろ初めてのところだったので勝手がわからなかったのですが、おかげさまで交通のトラブルに遭うことはなく、見学についても結果的には満願だったので、首尾良くいき、ホッとしました。ペーザロ/ウルビーノ間のプルマンは、1時間に1本の割合で出ており、とてもきれいなバスで快適です。
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by ciao_firenze | 2011-11-22 07:35 | 旅行

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